「クーラントフィルターって何?」
「どんな種類のクーラントフィルターがあるの?」
本記事に辿り着かれた方の中には、上記のように思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クーラント液は、金属を加工する際に使用される液体で、主な目的は切削時の摩擦を減らすなど、工作物の熱を冷却することです。クーラント液が汚れたままで放置してしまうと、効率を下げるだけでなく、バクテリアが発生し悪臭などの原因にもなります。
上記のような際に必要となってくるクーラントフィルターですが、様々な種類や用途があります。ろ過装置などの導入を検討している方は知っていて損のない基礎知識です。
本記事では、クーラントフィルターについて、役割や重要性を解説。さらに種類に応じて、適切な使用用途を紹介していきます。クーラントろ過装置を検討している方は参考にしてください。
また、以下の記事ではクーラント濾過装置導入でおすすめのメーカーを紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてみて下さい。
クーラントフィルターとは

冒頭でも解説した通りクーラントフィルターとは、クーラント液中のスラッジや不純物を除去するために使用される装置です。加工機械や冷却システムに組み込まれ、クーラント液を循環させながら、スラッジや不純物を取り除きます。
さまざまな種類のクーラントフィルターがあるため、対応していない素材は、クーラントフィルターでも取れない汚れもあります。
クーラント液中にスラッジが長時間存在すると、加工品質の低下や加工機械の故障を引き起こす可能性があります。また、クーラント液中の不純物が増えると、冷却効果が低下し、加工時の温度上昇が制御できなくなる場合もあります。
そのため、クーラントフィルターは、クーラント液をろ過する上で重要な装置と言えます。
クーラントフィルターの重要性

クーラントフィルターは、金属加工業界において欠かせない重要な装置です。その主な役割は、クーラント液中のスラッジや不純物を効果的に除去することにあります。この工程は、単なる液体の清浄化にとどまらず、製造プロセス全体の効率と品質に大きな影響を与えます。
クーラント液は、金属加工時の摩擦低減や熱の除去など、重要な機能を果たしています。しかし、使用を続けるうちに、切削屑や研削粉などの不純物が蓄積していきます。これらの不純物は、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 加工精度の低下
- 工具の早期摩耗
- 機械の故障リスクの増加
- クーラント液自体の劣化促進
クーラントフィルターを適切に使用することで、これらの問題を効果的に予防し、生産性の向上と品質の維持を実現できます。特に高精度な加工が要求される現代の製造業において、クーラントフィルターの重要性は一層高まっています。
さらに、環境面での配慮も忘れてはいけません。クーラント液を頻繁に交換することは、廃液処理の問題や資源の無駄遣いにつながります。クーラントフィルターを使用することで、液の寿命を延ばし、廃棄物の削減にも貢献できるのです。
このように、クーラントフィルターは生産効率、製品品質、コスト削減、そして環境保護の観点から、現代の製造業にとって極めて重要な装置と言えるでしょう。適切なフィルターの選択と管理は、企業の競争力向上に直結する重要な要素なのです。
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クーラントフィルターでろ過する5つのメリット

ここからは、クーラントフィルターでクーラント液をろ過するメリットについて紹介します。今回紹介するのは以下の5つです。
それぞれチェックしていきましょう。
加工精度の向上

1つ目のメリットは加工精度の向上です。クーラント液中のスラッジは、加工過程で工具や加工物と接触することで摩擦や傷を引き起こす可能性があります。
そのため、スラッジが除去できていないクーラント液を使用し続けることで、加工精度が低下し、寸法の不正確さや表面に粗さが生じてしまいます。
クーラント液をろ過することでスラッジを取り除けるため、工具と加工物の接触時の摩擦や傷が減少し、より高い加工精度を実現できます。
不良品発生の防止
2つ目のメリットは不良品発生の防止です。クーラント液中に含まれるスラッジは、加工物に付着することで不良品や欠陥の原因となります。
たとえば、スラッジが切削過程で加工物に付着すると、正確な形状や寸法を実現できず、不良品が生じてしまう可能性が高くなります。
そのため、クーラントフィルターでクーラント液をろ過することで、加工品質の向上と不良品の発生を防止につながります。
切削・研削工具寿命の延長
3つ目のメリットは切削・研削工具寿命の延長です。
クーラント液中のスラッジや切削屑が切削や研削工具に付着すると、工具の摩耗やダメージが進みます。継続的なダメージにより、工具の寿命が短くなり、交換頻度が増加しコストも増加します。
そのため、クーラント液をろ過することで、スラッジを取り除けるので、工具の寿命を延ばすことに繋がります。結果的に、工具の交換頻度を減らし、コスト削減や生産性の向上にも繫がります。
クーラント液の寿命を伸ばせる
4つ目のメリットはクーラント液の寿命を伸ばせるという点です。
クーラント液は時間とともに劣化し、冷却効果が低下します。クーラント液中のスラッジや不純物の濃度が増加すると、クーラントの性能や冷却効果が低下する可能性があります。
クーラント液自体をろ過することによって、液中のスラッジや不純物を取り除くことでクーラント液の寿命を延ばせます。寿命が伸びることでクーラント液の交換頻度を減らし、使用量やコストの削減にもつながります。
ダウンタイムの軽減
5つ目のメリットはダウンタイムの軽減です。
クーラント液中のスラッジや不純物が加工機械や冷却システムの配管やポンプに詰まると、メンテナンスや清掃が必要になり、生産ラインの停止時間が増えてしまいます。
生産ラインの停止は、会社の損失に直結してしまうため、ダウンタイムはなるべく避けなければいけません。
クーラント液をろ過することで、スラッジを除去し、詰まりや故障のリスクを低減することで、ダウンタイムの軽減が実現できます。
そのため、クーラントフィルターによるクーラント液のろ過は、工場などの生産効率を向上させ、生産ラインの稼働時間を最大化できます。
クーラント液をろ過しないリスクとは?

クーラント液をろ過しないことは、製造プロセス全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。上記で解説したメリットとは逆の事態が発生し、生産性や品質に大きなダメージを与えるリスクがあります。これらのリスクと影響について、詳しく説明します。
- 加工精度の低下
- 不良品の発生
- 切削・研削工具寿命の低下
- クーラント液の寿命の低下
- ダウンタイムの増加
まず、加工精度の低下が挙げられます。クーラント液中の不純物増加により、表面粗さの増加や寸法精度の悪化が起こり、特に精密加工では製品仕様を満たせなくなる可能性があります。これに伴い、不良品の発生率も上昇し、生産コストの増加と顧客満足度の低下につながります。
また、汚れたクーラント液は工具の早期摩耗を引き起こし、交換頻度の増加によりコストが上昇します。クーラント液自体の劣化も早まり、冷却効果や潤滑性能が低下するため、液体の交換頻度が増加し、材料費の上昇と廃液処理の問題が生じます。
さらに、システムの目詰まりや機械の故障リスクが高まり、予期せぬダウンタイムが増加します。これは生産スケジュールに大きな影響を与え、納期遅延や生産計画の混乱を招きます。加えて、汚れたクーラント液は悪臭の原因となり、作業環境を悪化させ、従業員の健康や作業効率にも悪影響を与えます。
これらの問題が複合的に作用することで、企業の評判や競争力にも影響を及ぼす可能性があります。したがって、適切なクーラントフィルターの選択と定期的なメンテナンスは、これらのリスクを最小限に抑え、持続可能な生産体制を構築するための不可欠な要素と言えるでしょう。
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代表的なクーラントフィルター4選

ここからは、代表的なクーラントフィルターを4つ紹介します。クーラント液の種類などでフィルターが異なるので、使用用途に合わせて選びましょう。
それぞれ特徴や対応しているスラッジを紹介していきます。
マグネットセパレーター

マグネットセパレーターはその名の通りマグネットを用いたクーラントろ過装置になります。
性能としては10μ以上のスラッジのみに対応しており、また、磁力でろ過するため、金属加工でしか使用できません。簡単な操作とメンテナンスの簡単さが特徴です。
こちらの記事ではマグネットセパレーターについて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

遠心分離式(サイクロンフィルター)
遠心分離式クーラントろ過装置はスラッジを含んだクーラント液を高速回転させ、遠心力で、クーラント液内に混じった粉末状のスラッジを分離する装置です。
性能としては、10μ以上のスラッジの除去と金属加工や非金属加工のクーラントろ過に適しています。
こちらの記事では遠心分離式(サイクロンフィルター)について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

ペーパーフィルター
ペーパーフィルターは紙繊維からつくられており、微細なスラッジや不純物を捕捉する能力があるクーラントろ過装置になります。
性能としては10μ~95μまでのろ過が可能で、磁力のあるものから磁力のない金属までろ過できます。
ペーパーフィルターは導入コストが低いですが、詰まりやすく、ろ過精度も低いためフィルター自体の寿命も短く、使用後のペーパーフィルターは産業廃棄物として処理しなければいけないなど、ランニングコストがかかる傾向にあります。
カートリッジフィルター
カートリッジフィルターはクーラント液に混入するスラッジを、フィルターエレメント(立体濾紙)で補修・除去する循環型のろ過装置です。
上記で紹介してきた、ろ過装置と比べると10μ以下のスラッジを除去できるという最大のメリットがあります。
また、対応しているスラッジも豊富で、さまざまな素材のスラッジに対応しています。
クーラントフィルターの選び方

クーラントフィルターの選択は、製造プロセスの効率と製品品質に直接影響を与える重要な決定です。適切なフィルターを選ぶことで、生産性の向上とコスト削減を同時に実現できます。クーラントフィルターを選ぶ際には、加工方法、スラッジの特性、そしてコストパフォーマンスの3つの要素を主に考慮する必要があります。
これらの要素を総合的に評価することで、自社の製造プロセスに最適なフィルターを選定することができます。
加工方法に合わせた選択
加工方法によって発生するスラッジの特性が異なるため、それに適したフィルターを選ぶことが重要です。例えば、研削加工では微細な砥粒が発生するため、高精度のフィルトレーションが必要になります。
一方、切削加工では比較的大きな切粉が発生するため、それに適した粗目のフィルターが効果的です。加工方法と発生するスラッジの特性を十分に把握し、最適なフィルターを選択しましょう。
スラッジの特性を考慮

スラッジの大きさ、量、材質によって、最適なフィルターは異なります。微細なスラッジが多い場合は、カートリッジフィルターやペーパーフィルターが適しています。磁性体のスラッジが主な場合は、マグネットセパレーターが効果的です。
また、スラッジの量が多い場合は、遠心分離式のフィルターが適しているでしょう。自社の加工工程で発生するスラッジの特性を詳細に分析し、それに最適なフィルターを選択することが重要です。
コストパフォーマンスの評価

初期投資コストだけでなく、ランニングコストや維持管理の容易さも考慮に入れる必要があります。例えば、逆洗浄機能付きのフィルターは初期コストは高くても、長期的には維持管理コストを抑えられる可能性があります。
フィルターの寿命や交換頻度、消耗品の費用なども考慮に入れ、総合的なコストパフォーマンスを評価しましょう。
クーラントフィルターの用途別選定ガイド|加工内容に合う方式と選び方を解説

クーラントフィルターは、加工方法や素材によって発生するスラッジの性状が変わるため、同じ装置でも効果に差が出ます。こちらでは、研削・切削といった加工内容や、鋳鉄・アルミなどの材質条件ごとに、選定で重視したいポイントと相性の良い方式を整理します。
現場条件に合った選定を行うことで、加工品質の安定化や工具寿命の延長、ダウンタイムの抑制につながります。
◇研削加工で選ぶ場合(微細粉が多い前提)
研削加工は砥粒や微細な金属粉が大量に発生しやすく、クーラント液が短時間で濁りやすい工程です。微細粉が循環すると、加工面に微小な傷が入りやすくなり、面粗さや寸法のばらつきが増える可能性があります。
そのため、研削加工では「ろ過精度」を重視し、細かな粒子を安定して捕捉できる方式を選ぶことが重要です。具体的には、微細領域まで対応しやすいカートリッジフィルターや、ろ材で捕捉するペーパーフィルターが候補になります。
運用面では、微細粉が多いほど目詰まりが起こりやすいため、処理能力に余裕を持たせ、圧損の増加や流量低下を監視できる設計が求められます。連続運転を前提とする場合は、逆洗浄機能や自動清掃機構の有無も確認し、停止時間の増加を防ぐ選定が有効です。
◇切削加工で選ぶ場合(切粉量と形状に配慮)
切削加工は研削と比べて切粉が大きく、形状も針状やカール状など多様です。切粉が配管やポンプに絡むと、詰まりや流量低下を引き起こし、冷却性能の低下につながります。そのため、切削加工では、微細粉だけでなく「切粉の回収と分離」を意識した選定が必要です。
一次ろ過として比較的粗い異物を取り除き、二次ろ過で細かな粒子を抑える二段構えが安定しやすくなります。鉄系中心の切削であればマグネットセパレーターで磁性切粉を回収し、非磁性の混在がある場合はペーパーフィルターやカートリッジフィルターを組み合わせる選択が現実的です。
切粉量が多い現場では、ろ材の交換頻度が増えやすいため、消耗品コストとメンテナンス負荷のバランスも含めて検討することが重要です。
◇鋳鉄・鉄系中心の現場(磁性スラッジ前提)
鋳鉄や鉄系材料を中心に加工する現場では、磁性を持つスラッジが多く発生する傾向があります。この条件では、マグネットセパレーターが有効に働きやすく、比較的低いランニングコストでスラッジ回収を行える点がメリットです。
磁性スラッジを早い段階で除去できれば、後段のフィルターの負担が軽減され、ろ材寿命の延長や目詰まりリスクの低下につながります。一方で、鉄系であっても微細粉や油分が混在すると、磁力だけでは除去しきれないケースがあります。
その場合は、マグネットを一次処理に置き、二次側にペーパーフィルターやカートリッジフィルターを配置して最終ろ過を強化すると安定します。設備保全を重視する現場では、ポンプ保護の観点からも、磁性除去と微細捕捉を両立させる構成が適しています。
◇アルミ・樹脂など非磁性が多い現場(方式の相性)
アルミや樹脂など非磁性材料の加工が中心の現場では、マグネットセパレーター単体では十分な効果を得にくくなります。切粉やスラッジが磁力に反応しないため、別方式での捕捉が必要です。アルミ切粉は軽く、浮遊しやすい性質があるため、沈降分離だけに頼ると回収効率が落ちる場合があります。
この条件では、ろ材で確実に捕捉できるペーパーフィルターや、微細領域まで対応しやすいカートリッジフィルターが選定候補になります。スラッジ量が多い場合や、粉末状で分離が難しい場合は、遠心分離式を検討する余地もあります。
方式の相性を判断する際は、スラッジの粒径だけでなく、比重や浮遊しやすさ、油分混在の有無を確認し、現場に合う分離原理を選ぶことが重要です。
◇高精度加工・不良率改善を最優先したい現場(最終ろ過重視)

寸法精度や面品位が厳しい製品を扱う現場では、クーラントの清浄度が不良率に直結します。特に微細な異物は、加工面の微小傷や仕上げ品質の低下につながり、検査工程での不適合増加を招く可能性があります。そのため、高精度加工では「最終ろ過」の考え方が重要になります。
一次ろ過で粗大な切粉を回収し、二次ろ過で微細粉を抑え、必要に応じて10μ以下まで対応できるフィルターを最終段に設置することで、クーラントの清浄度を高い水準で維持しやすくなります。カートリッジフィルターは微細領域に対応しやすく、品質改善を目的とする現場で選ばれやすい方式です。
ただし、ろ過精度を上げるほど目詰まりや圧損が増えやすくなるため、処理能力に余裕を持たせ、逆洗浄などの目詰まり対策も含めて設計することが重要です。品質を優先する場合でも、運用負荷が過大になると継続が難しくなるため、保全体制や交換頻度を見込み、無理のない運用設計で効果を安定させる必要があります。
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クーラントフィルター導入後に効果が出ない原因と対策|現場で起こりやすい失敗を整理

クーラントフィルターは、適切に選定・設置・運用されていれば、加工品質の安定や設備トラブルの低減に大きく貢献します。しかし、導入したにもかかわらず「思ったほど効果を感じられない」「トラブルが減らない」といった声が出る現場も少なくありません。
多くの場合、原因は装置そのものではなく、条件設定や運用方法にあります。こちらでは、クーラントフィルター導入後に効果が出にくい代表的な原因と、その対策を整理します。
◇ろ過精度が過不足になっている
クーラントフィルターのろ過精度は、高ければ良いというものではありません。加工内容に対して精度が粗すぎる場合は、微細なスラッジが循環し続け、加工面の粗れや不良率の改善につながらないことがあります。一方で、必要以上に高精度なろ過を設定すると、フィルターの目詰まりが頻発し、流量低下や停止時間の増加を招く恐れがあります。
対策としては、加工方法や求める品質水準を整理し、どの粒径まで除去すべきかを明確にすることが重要です。切削加工と研削加工では必要な精度が異なるため、現場条件に合わせた適正なろ過精度を設定することで、効果を実感しやすくなります。
◇処理能力(流量)が不足している
処理能力が不足している状態では、クーラントが十分にろ過される前に循環してしまい、清浄度が安定しません。特に、工作機械の台数増加や加工条件の変更によりクーラント使用量が増えている場合、導入当初は問題がなくても、後から能力不足が顕在化するケースがあります。
流量不足は、タンク内のスラッジ滞留やオーバーフローの原因にもなります。対策としては、ピーク時の使用量を含めて処理能力を見直し、余裕を持った設計にすることが有効です。必要に応じて、前処理装置の追加や二段ろ過構成を検討することで、全体の負荷を分散できます。
◇設置位置・戻し位置が適切ではない
クーラントフィルターの性能は、設置位置やクーラントの戻し位置によって大きく左右されます。例えば、ろ過前の汚れたクーラントと、ろ過後のクーラントがタンク内で混ざりやすい配置では、清浄度が上がりにくくなります。また、戻し位置が偏っていると、タンク内にデッドスペースが生じ、スラッジが堆積しやすくなります。
対策としては、タンク内の流れを意識した配置を行い、ろ過後のクーラントが均一に循環する設計にすることが重要です。導入時だけでなく、運用後の状況を確認し、必要に応じて配管や戻し位置を調整することが効果的です。
◇タンク清掃やスラッジ回収が追いついていない
フィルターを導入しても、タンク底部に溜まったスラッジを放置していると、再びクーラント中に巻き上がり、ろ過効果を打ち消してしまいます。特に長期間清掃を行っていないタンクでは、ヘドロ状の堆積物が発生しやすく、臭いや腐敗の原因にもなります。
対策としては、フィルター任せにせず、定期的なタンク清掃やスラッジ回収を運用ルールとして組み込むことが重要です。清掃頻度は加工内容やスラッジ量によって異なるため、実際の堆積状況を確認しながら最適化すると、ろ過効果が安定しやすくなります。
◇クーラント管理(濃度・pH・腐敗)と連動できていない
クーラントフィルターは異物除去を担う装置であり、クーラントそのものの状態管理が不十分な場合、十分な効果を発揮できません。濃度が適正でない、pHが大きく変動している、腐敗が進行しているといった状態では、ろ過しても臭いや加工不良が改善しにくくなります。
対策としては、濃度管理やpH測定、定期的な状態チェックを行い、クーラント管理とフィルター運用を連動させることが重要です。クーラントの状態を安定させることで、フィルターの負担も軽減され、結果として全体の効果を引き出しやすくなります。
クーラントフィルターのメンテナンスと運用のポイント

クーラントフィルターは導入して終わりではなく、日常的なメンテナンスと適切な運用によって、はじめて本来の効果を発揮します。管理が不十分な状態では、ろ過性能が低下するだけでなく、設備トラブルやコスト増加につながる恐れもあります。
こちらでは、クーラントフィルターを安定して運用するために押さえておきたいメンテナンスと管理のポイントを整理します。
◇交換・清掃の目安を決める(圧損、流量、濁度など)
フィルターの交換や清掃は、感覚的に判断するのではなく、客観的な指標をもとに目安を設定することが重要です。代表的な判断基準としては、圧損の上昇、流量の低下、クーラントの濁度変化などが挙げられます。
圧損が上昇している場合は、ろ材がスラッジで目詰まりしている可能性が高く、放置すると流量不足やポンプへの負荷増加につながります。また、流量が低下すると、加工点への冷却・洗浄効果が弱まり、加工品質に影響が出やすくなります。濁度についても、定期的に確認することで、ろ過性能が維持できているかを把握しやすくなります。
これらの指標をもとに、交換・清掃の基準をあらかじめ決めておくことで、突発的なトラブルを防ぎ、計画的な保全が可能になります。
◇フィルター寿命を縮める要因(スラッジ量、油分混在)
フィルター寿命は、使用時間だけで決まるものではなく、スラッジの量や性状、クーラント中に混在する油分の影響を大きく受けます。スラッジ量が多い現場では、ろ材表面に短時間で堆積が進み、目詰まりが早期に発生しやすくなります。
また、潤滑油や作動油などの油分が多く混在している場合、スラッジが付着しやすくなり、ろ過効率の低下や清掃負荷の増加につながります。対策としては、前処理として粗大な切粉や油分を分離する工程を設けることや、二段ろ過構成でフィルターへの負荷を分散する方法が有効です。
フィルター寿命を延ばすためには、ろ過装置単体だけでなく、前後工程を含めた全体設計を意識する必要があります。
◇廃棄時の注意(ろ材、スラッジの扱い、分別の考え方)
フィルター交換や清掃によって発生する廃棄物の扱いにも注意が必要です。使用済みのろ材や回収したスラッジは、付着しているクーラント成分や油分の有無によって、産業廃棄物としての区分が異なる場合があります。分別が不十分なまま処理を行うと、法令違反や処理コストの増加につながる可能性があります。
そのため、廃棄時には、ろ材とスラッジを分けて管理し、委託先の処理ルールに沿った分別を行うことが重要です。また、含水率や油分量を抑えることで、廃棄コストを低減できるケースもあります。メンテナンスとあわせて廃棄方法まで整理しておくことで、運用全体の無駄を減らし、クーラント管理の効率化につなげることができます。
導入を検討しているならカートリッジフィルターがおすすめ

ここまでクーラント液をろ過する際におすすめのろ過装置を紹介してきました。
どのクーラントろ過装置が良いのかまだ迷われている方は、『カートリッジフィルター』がおすすめです。
カートリッジフィルターは10μ以下の微細なスラッジにも対応しています。また、ろ過装置によっては、目詰まりによって連続運転ができなくなってしまう難点があります。そのため、目詰まりを軽減する逆洗浄機能が備わったろ過装置が良いでしょう。
逆洗浄機能とは、クリーンな液とエアにより濾材表層部のスラッジを剥がし落とす機能のことです。逆洗浄により、フィルターの目詰まりをある程度解消し、メンテナンスコストを削減できます。
クーラントろ過装置を製造しているおすすめ会社3選
ここまでクーラント液をろ過するろ過装置を紹介してきました。カートリッジフィルターを製造している会社の中でもおすすめのメーカーは以下の3社です。
それぞれの会社情報や製品情報まで紹介します。参考にしてください。
逆洗浄付き『濾過精工株式会社』

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 濾過精工株式会社 |
| 設立 | 2011年9月 |
| 資本金 | 6,470万円 |
| 住所 | 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-10-1 |
| 電話番号 | 03-6264-8575 |
濾過精工株式会社は、高性能なろ過システムを備えた逆洗浄機能付きのカートリッジフィルターを製造しています。10μ以下の微細な汚れやスラッジに対応できます。
カートリッジフィルターは、逆洗浄機能を備えており、フィルター交換の負担を軽減できます。逆洗浄機能によって、フィルター表面に蓄積した汚れや異物を逆方向に吹き飛ばし、フィルターの寿命を延ばし、交換頻度を減らせます。
また、濾過精工株式会社のカートリッジフィルターは、精密機械用のクーラントに特化しています。精密機械は高い品質と正確性が要求されるため、クーラント中の微細な汚れやスラッジを効果的に除去することが不可欠です。
高いろ過性能と逆洗浄機能により、フィルター交換の負担を軽減しながら、長期間にわたる安定したクーラント液の供給を実現します。
一度資料請求などをして製品導入を検討しましょう。
以下の記事では濾過精工の会社の特徴や商品などを詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。
逆洗浄なし『イースタン技研株式会社』

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | イースタン技研株式会社 |
| 設立 | 1970年6月 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 住所 | 神奈川県大和市福田六丁目9番地の21 |
| 電話番号 | 046-268-3131 |
イースタン技研株式会社は、逆洗浄機能のないカートリッジフィルターを使用するクーラントろ過装置を製造しています。装置のフィルター交換は必要ですが、マグネットセパレータでは取り除けない砥石カスや非鉄金属のスラッジなども完全に除去できるという特長があります。
通常、マグネットセパレータは磁力を利用して鉄粉や鉄屑などの磁性物質を除去しますが、非磁性の砥石カスや非鉄金属は除去できません。しかし、イースタン技研株式会社のクーラントろ過装置は、専用のカートリッジフィルターの使用で、微粒子も効果的に除去ができます。
一度資料請求などをして製品導入を検討しましょう。
以下の記事ではイースタン技研の会社の特徴や商品などを詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。
トリプルアール株式会社

トリプルアールは、東京・足立区に本社を置く、油やクーラントの精密ろ過装置に特化した専門メーカーです。トリプルアール株式会社は、50年以上にわたりオイルクリーナーを中心とした精密ろ過装置の開発・製造に特化してきた専門メーカーです。
油圧機器用オイルや工業用潤滑油、クーラント液などを対象に、清浄ろ過や分離を行う装置を提供し、加工現場や生産設備の安定稼働を支えてきました。自動車メーカーや鉄鋼メーカーをはじめ、全国各地の企業で導入実績を重ねており、用途や条件に応じた提案力にも定評があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | トリプルアール株式会社 |
| 住所 | 東京都足立区綾瀨6-27-10 TRビル |
| 電話番号 | 03-3620-3232 |
| 公式サイト | https://www.triple-r.com/ |
同社は、オイルやクーラントを廃棄するのではなく、再生して使い続けるという考え方を重視しており、環境負荷の低減とコスト削減を両立する製品づくりを行っています。遠心分離機やマグネットを活用したろ過技術は、微細な不純物の除去にも対応しており、設備トラブルの抑制や保全効率の向上にも貢献します。
油やクーラント管理の最適化を図りたい企業にとって、信頼性の高い選択肢のひとつといえる存在です。
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▼【濾過装置】トリプルアールはどんな会社?特徴や製品情報、メーカーの選び方まで解説!
まとめ

本記事では、クーラントフィルターについて紹介してきました。クーラントフィルターにはさまざまなろ過装置があります。
しかし、高精密な製品製造のためには10μ以下のスラッジを除去できるろ過装置の導入を検討しましょう。まだ迷われている方は『カートリッジフィルター』の資料請求をしてみましょう。
本記事が少しでもあなたの助力になれば幸いです。
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