「チップコンベアの特徴は?」
「チップコンベアを導入するメリットやデメリットはなに?」
本記事を読まれている方は、上記のように思われているのではないでしょうか。
チップコンベアはクーラント液をろ過するためのろ過装置の一つです。クーラントのろ過は加工精度を高めるために重要です。本記事では、チップコンベアの特徴やメリット・デメリットまで紹介します。
チップコンベアの導入を検討している方は本記事を参考に検討してみてください。
また、こちらの記事ではろ過装置導入のメリットからスラッジの種類にあわせたろ過装置を紹介しています。あわせてチェックしてみましょう。
チップコンベアとは
チップコンベアとは、製造業や加工業において使用されるろ過装置の一種です。チップコンベアは、金属やプラスチックなどの素材から発生するチップや切削くずなどの廃棄物を効率的に取り除くために使用されます。
ベルトコンベアと呼ばれる連続的に動くベルト状の装置を使用しています。ベルトコンベアは、工場内で発生するチップや切削くずを収集し、廃棄物処理エリアに運ぶ役割を果たします。
自動化された生産ラインや機械加工センターなどの環境で広く使用されており、生産効率を向上させるための重要な装置です。
チップコンベアの構造は、主にベルト、駆動モーター、フレーム、スクレーパーなどから構成されています。ベルトの材質や形状は、処理する切粉の特性に応じて選択されます。例えば、金属切粉の場合は耐摩耗性の高いベルトが使用されます。また、磁性体の切粉を扱う場合は、磁力を利用して効率的に回収する磁気式チップコンベアも存在します。これらの特性により、様々な産業分野での使用が可能となっています。
チップコンベアの特徴
チップコンベアは、製造業や金属加工業において重要な役割を果たす装置です。その主な特徴は以下の2点にあります。これらの特徴により、生産性の向上とクーラント液の品質維持に大きく貢献しています。
効率的な切粉除去システム
チップコンベアの最大の特徴は、その効率的な切粉除去システムにあります。ベルトコンベア式の構造を採用しており、連続的に切粉を搬送し除去することができます。この仕組みにより、加工機械の周辺に切粉が堆積するのを防ぎ、作業環境を清潔に保つことができます。
また、クーラント液の1次ろ過装置としての役割も果たします。大きな切粉や金属片を効果的に取り除くことで、後段の精密ろ過装置の負担を軽減し、全体的なろ過システムの効率を高めます。これにより、クーラント液の寿命延長や加工精度の維持にも貢献しています。
多様な加工環境への適応性
チップコンベアのもう一つの大きな特徴は、多様な加工環境に適応できる汎用性の高さです。金属加工、プラスチック加工、木材加工など、様々な産業分野で活用されています。
特に、一般的な切粉や比較的大きなサイズの切り屑に対して高い除去能力を発揮します。材質や形状が異なる切粉にも対応できるため、多品種少量生産の現場や、複数の加工工程を持つ工場でも効果的に使用できます。
ただし、砂状の非常に細かい切粉の除去には不向きな面もあるため、加工内容や発生する切粉の特性を考慮して使用する必要があります。このような場合は、他のろ過装置と組み合わせて使用することで、より効果的なろ過システムを構築できます。
これらの特徴により、チップコンベアは多くの製造現場で重要な役割を果たし、生産効率の向上と品質管理に貢献しています。
以下の記事では、チップコンベア以外のクーラントフィルターも紹介しているので、合わせてご覧ください。
チップコンベアを導入するメリット・デメリット
ここからは、チップコンベアの導入メリットとデメリットを紹介します。
メリットとデメリットを理解することで、最適なろ過装置を見つけられるでしょう。
それでは見ていきましょう。
チップコンベアのメリット
チップコンベアの導入には、以下のような重要なメリットがあります:
- 効率的な廃棄物管理
- 連続的な運転
- 作業環境の改善
- クーラント液の品質維持
特に、クーラントの1次ろ過として用いられることが多く、後段のろ過装置の故障原因となりやすい大きなスラッジを事前に除去できます。これにより、全体的なろ過システムの効率が向上し、メンテナンス頻度の低減にもつながります。
また、連続運転が可能なため、生産ラインを止めることなく切粉を除去できます。結果として、作業効率の向上と作業環境の改善が実現し、従業員の安全性も高まります。
さらに、大きな切粉を速やかに除去することで、クーラント液の劣化を防ぎ、その寿命を延ばす効果も期待できます。
チップコンベアのデメリット
一方で、チップコンベアにはいくつかの注意すべき点もあります:
- 小さなスラッジは除去できない
- 砂系など条件によっては除去できないものもある
- メンテナンス項目が多い
- 初期導入コストが比較的高い
チップコンベアは大きな切粉の除去に優れていますが、微細なスラッジの除去には適していません。そのため、精密加工を行う場合は、他のろ過装置と組み合わせる必要があります。
また、砂状の非常に細かい切粉は除去が難しい場合があります。メンテナンス面では、ベルトコンベアのフィルター清掃や交換、モーターやギアの点検など、定期的な保守が必要となります。これらの作業には時間とコストがかかる場合があります。
初期導入コストが他のろ過装置と比べて高くなる可能性もあるため、長期的な費用対効果を慎重に検討する必要があります。
チップコンベアの効果的な使用方法
チップコンベアを最大限に活用するためには、適切な使用方法と管理が重要です。以下に、チップコンベアを効果的に使用するためのポイントをまとめました。これらの方法を実践することで、生産性の向上とメンテナンスコストの削減が期待できます。
- 適切な設置位置の選定
- 定期的なメンテナンスの実施
- 他のろ過装置との組み合わせ
チップコンベアの設置位置は、切粉の発生源に近い場所を選びます。これにより、切粉が広範囲に散らばる前に効率的に回収できます。また、定期的なメンテナンスは不可欠です。ベルトの張り具合の調整、モーターの点検、フィルターの清掃などを計画的に行うことで、長期的な性能維持が可能になります。
さらに、チップコンベアは1次ろ過装置として使用し、2次ろ過にはカートリッジフィルターなどを組み合わせることで、より高度なろ過が実現できます。運転パラメータについては、ベルトの速度や傾斜角度を加工条件に合わせて最適化することで、より効果的な切粉除去が可能になります。
これらの方法を適切に実践することで、チップコンベアの性能を最大限に引き出し、製造プロセス全体の効率向上につなげることができるでしょう。
2次ろ過として10μ以下のスラッジを除去できるろ過装置
1次ろ過をチップコンベアで行った後に、2次ろ過としておすすめできるクーラントろ過装置を紹介します。
大きなスラッジを除去したクーラント液からさらに小さなスラッジを除去することで、精度の高い加工が可能になります。
カートリッジフィルター
2次ろ過としておすすめできるのはカートリッジフィルターです。
カートリッジフィルターは10μ以下の微細なスラッジまで除去できます。また、幅広い加工現場でも対応できる除去性能を持っています。
また、カートリッジフィルターの中にも『逆洗浄機能』が付いているものと付いていないものがあります。
逆洗浄機能があることで、フィルターの目詰まりの原因になるスラッジを剥がす役割を担い、フィルターのメンテナンスコスト削減に効果的です。
カートリッジフィルターのろ過装置を製造している会社2選
ここからは、カートリッジフィルターのクーラントろ過装置を製造している会社を2社紹介します。検討している方は是非参考にしてください。
今回、紹介するの会社は以下の2社です。
それぞれ、提供しているろ過装置が異なります。どちらが適しているかチェックしてみましょう。また、気になる企業があれば一度資料請求してみましょう。
逆洗浄付き『濾過精工株式会社』
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 濾過精工株式会社 |
設立 | 2011年9月 |
資本金 | 6,470万円 |
住所 | 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-10-1 |
電話番号 | 03-6264-8575 |
濾過精工株式会社は、10μ以下のスラッジにも対応しているカートリッジフィルターを製造している企業です。
また、濾過精工株式会社のカートリッジフィルターには、逆洗浄機能が付いており、継続的なフィルターの利用でメンテナンスコストやランニングコストの削減にも効果的です。
高い除去能力で精密な製品加工の現場で精密機器の品質担保に貢献しています。
気になる方は資料請求してみましょう。
逆洗浄なし『イースタン技研株式会社』
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | イースタン技研株式会社 |
設立 | 1970年6月 |
資本金 | 5,000万円 |
住所 | 神奈川県大和市福田六丁目9番地の21 |
電話番号 | 046-268-3131 |
イースタン技研株式会社は、10μ以下のスラッジにも対応しているカートリッジフィルターを製造している企業です。
イースタン技研株式会社のカートリッジフィルターには逆洗浄機能が付いておらず、定期的なメンテナンスが必要になりますが、その分導入コストは削減できます。
気になる方は資料請求してみましょう。
まとめ
ここまでチップコンベアについて特徴やメリット・デメリットを紹介してきました。
チップコンベアは1次ろ過として、高い除去能力を持ち合わせており、2次ろ過の精度を高められます。
1次ろ過装置としてチップコンベアの導入を検討している場合は、あわせて2次ろ過として、カートリッジフィルターの導入も検討しましょう。微細なスラッジまで除去することで精密な加工が可能になります。
本記事が少しでもあなたの助力になれば幸いです。