「ドラムフィルターの特徴を知りたい!」
「ドラムフィルターのメリットはなに?」
「ドラムフィルターのデメリットは何があるの?」
本記事を読んでいる方の中には、ドラムフィルターの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
ドラムフィルターはクーラントろ過装置の一つです。クーラント液をろ過することは、産業や製造業界において高い精度を担保し製造する上で重要な要因の一つです。ろ過装置を使用して、クーラント中の微細な異物やスラッジを除去し、機械の動作や加工品の品質を担保できます。
本記事では、クーラントろ過装置の一つ、ドラムフィルターとは何かを解説。特徴や導入メリット・デメリット、クーラントろ過装置を製造しているおすすめの会社について紹介していきます。
また、以下の記事ではろ過装置導入のメリットからスラッジの種類にあわせたろ過装置を紹介しています。あわせてチェックしてみましょう。
ドラムフィルターとは
ドラムフィルターはオリバーフィルターとも呼ばれます。円筒形のフィルタードラム(ろ過面)と、その周囲に配置されたスクレーパー、真空システムなどで構成されています。
クーラント液は、フィルタードラムの表面に供給され、液体中の固体やスラッジは、フィルタードラムの表面で捕捉されます。
一方、クーラント液はフィルタードラムを通過してクリーンな状態で排出されます。導入することで、クーラント液や機械の寿命を伸ばすなど様々な利点があります。
この装置の特徴的な点は、回転するドラムの表面に形成される薄いフィルター層です。この層が効率的にスラッジを捕捉し、清浄な液体のみを通過させるのです。また、連続運転が可能なため、大量のクーラント液を処理する工場や生産ラインに適しています。ドラムフィルターは、その構造と機能により、工業用ろ過装置の中でも重要な位置を占めているのです。
ドラムフィルターの特徴
ドラムフィルターは、ろ過面積が比較的大きく、高いろ過効率を実現しています。また、自動化が可能であり、連続的な操作が行えるため、効率的なクーラント液のろ過が可能です。
さらに、スクレーパーによるフィルタードラムの清掃や真空システムによるろ過速度の調整など、メンテナンスや制御が簡単です。ドラムフィルターを使用することで、クーラント液中の固体やスラッジを効果的に除去し、クーラントの品質を向上させられます。
10μ以上のスラッジのみ対応しており、微細なスラッジには対応していませんが、連続的かつ効果的な処理が可能で、フィルターに付着したスラッジを分離します。使用用途も広く様々なスラッジに対応できる特徴があります。
この装置の優れた点は、処理能力の高さと運転の安定性にあります。大量のクーラント液を連続的に処理できるため、生産ラインの停止時間を最小限に抑えられるのです。さらにフィルタードラムの回転速度や真空圧の調整により、異なる種類のスラッジや液体に対応できる柔軟性も持ち合わせています。これらの特性により、ドラムフィルターは多様な産業分野で活用されているのです。
以下の記事では、ドラムフィルター以外のクーラントフィルターも紹介しているので、合わせてご覧ください。
ドラムフィルターを導入するメリット・デメリット
ここからは、ドラムフィルターを導入することで得られるメリットとデメリットを紹介します。
メリット・デメリットを理解することで実際に使用する際に貴社の加工製品とのマッチ度合を確かめましょう。
それぞれ解説していきます。
ドラムフィルターのメリット
ドラムフィルターの導入メリットに挙げられるものは以下の通りです。
- 高いろ過効率
- 連続運転
- 自動化と制御が容易
- メンテナンスが容易
ドラムフィルターはろ過面積が大きいため効率よくろ過できます。また、連続運転にも向いており大容量のクーラントをろ過し続けられます。
これらのメリットは、特に大規模な製造ラインや連続生産プロセスにおいて大きな価値を発揮します。高いろ過効率により、クーラント液の品質を常に高い水準で維持でき、結果として加工精度の向上や工具寿命の延長につながります。連続運転能力は、生産ラインの停止時間を最小限に抑え、生産性を大幅に向上させる可能性があります。
さらに、自動化と容易な制御により、人的ミスを減らし、運転コストを削減できるでしょう。メンテナンスの容易さは、長期的な運用コストの低減に寄与し、設備の稼働率を高く保てます。
ドラムフィルターのデメリット
ドラムフィルターの主なデメリットは、微細なスラッジへの対応の限界です。10μ以下の微細なスラッジに対応していないため、精密な加工が必要な現場ではあまり向いていないと言えるでしょう。
このため、半導体製造や精密機械加工など、極めて高い清浄度が要求される分野では、単独での使用には適さない場合があります。また、初期導入コストが比較的高いことや、設置に一定のスペースが必要なこともデメリットとして挙げられます。
これらの要因により、小規模な工場や限られたスペースしか持たない製造ラインでは、導入を躊躇する場合もあるでしょう。導入を検討する際は、自社の製造プロセスの特性や要求される精度、予算、設置スペースなどを総合的に評価することが重要です。
ドラムフィルター選びのポイント
ドラムフィルターを選ぶ際には、以下の4つのポイントを慎重に検討することが重要です。
処理能力
処理能力は、自社の生産ラインに適したものを選ぶ必要があります。発生するクーラント液の量と要求される処理速度を考慮し、適切な能力を持つ機種を選定しましょう。
過剰な能力は無駄なコストにつながり、不足すれば生産効率に影響を与えかねません。また、将来的な生産量の増加も視野に入れ、多少余裕を持たせた選択も検討するとよいでしょう。
設置スペース
ドラムフィルターは比較的大型の装置であるため、設置スペースの確保が重要です。工場レイアウトを考慮し、既存の設備との配置バランスや作業動線に支障がないように配置を計画しましょう。
また、メンテナンス時の作業スペースも考慮に入れる必要があります。将来的な拡張計画がある場合は、それも視野に入れた余裕のある配置を検討することが賢明です。
メンテナンス性
メンテナンス性は長期的な運用コストと稼働率に直結します。定期的な清掃や部品交換が容易な機種を選ぶことで、ダウンタイムを最小限に抑え、効率的な運用が可能になります。
また、メーカーのサポート体制や部品の入手のしやすさも重要な検討事項です。信頼性の高いメーカーの製品を選び、適切なメンテナンス計画を立てることで、安定した運用が期待できるでしょう。
コスト面
コスト面では、初期投資だけでなくランニングコストも考慮する必要があります。安価な製品が必ずしも長期的にコスト効率が良いとは限りません。電力消費量、消耗品の交換頻度、メンテナンス費用なども含めて総合的に判断しましょう。
導入によるコスト削減効果や生産性向上のメリットも加味し、投資回収期間を計算することも重要です。長期的な視点でコストパフォーマンスを評価することが大切です。
10μ以下のスラッジを除去できるろ過装置
ドラムフィルターは10μ以下のスラッジに対応していませんでしたが、10μ以下の微細なスラッジも除去できるろ過装置が必要な方もいるでしょう。
精密な加工が必要で、製品の加工精度が重要な現場では、10μ以下のスラッジも製品に影響を与える要因になってしまいます。
そのため、10μ以下のスラッジに対応しているろ過装置を以下で紹介します。
10μ以下も対応可能『カートリッジフィルター』
カートリッジフィルターはドラムフィルターと比べると10μ以下の微細なスラッジ除去にも対応しており、また、幅広い加工現場でも使用できます。
また、カートリッジフィルターは交換が簡単にできるためメンテナンスも容易です。
カートリッジフィルターの中には『逆洗浄機能』を搭載しているものがあります。逆洗浄機能を搭載しているカートリッジフィルターは、フィルターに付着したスラッジを洗い落とせるため、目詰まりによるフィルターの交換頻度を下げられます。そのため、ランニングコストを削減しながら高い精度でスラッジの除去が可能なろ過装置になります。
ドラムフィルターよりも微細なスラッジ除去が必要な現場においてはカートリッジフィルターがおすすめです。
カートリッジフィルターのろ過装置を製造している会社2選
ここでは、カートリッジフィルターのクーラントろ過装置を製造している会社を紹介します。迷っている方は是非参考にしてください。
紹介するのは以下の2社です。
それぞれの企業が製造しているカートリッジフィルターについても紹介しています。気になる企業があれば資料請求しましょう。
逆洗浄付き『濾過精工株式会社』
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 濾過精工株式会社 |
設立 | 2011年9月 |
資本金 | 6,470万円 |
住所 | 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-10-1 |
電話番号 | 03-6264-8575 |
濾過精工株式会社は、『逆洗浄機能』を搭載しているカートリッジフィルターを製造している会社になります。
逆洗浄機能を搭載しているため、フィルターのメンテナンスコストを削減できます。また、幅広い製造業に対応しているろ過装置です。
他にもろ過装置を製造しているので、気になる方は一度公式サイトを訪れてみましょう。
逆洗浄なし『イースタン技研株式会社』
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | イースタン技研株式会社 |
設立 | 1970年6月 |
資本金 | 5,000万円 |
住所 | 神奈川県大和市福田六丁目9番地の21 |
電話番号 | 046-268-3131 |
イースタン技研株式会社は、逆洗浄機能の搭載がないカートリッジフィルターを製造しています。
逆洗浄機能がないため、メンテナンスコストや消耗品などのランニングコストがかかりますが、導入コストが低くなります。
他にもろ過装置の製造をしていますので、気になる方は一度公式サイトを訪れてみましょう。
まとめ
ここまでドラムフィルターの特徴やメリット・デメリットを紹介してきました。
まとめると、メリットは以下のようになります。
- 高いろ過効率
- 連続運転
- 自動化と制御が容易
- メンテナンスが容易
また、デメリットは10μ以下の微細なスラッジに対応していないことが挙げられます。
これらの特徴やメリット・デメリットを総合的に判断し、微細なスラッジに対応しているカートリッジフィルターも検討してみましょう。
本記事が少しでもあなたの助力になれば幸いです。