「クーラントろ過装置のメーカによって何が違うの？」
「クーラントろ過装置をどのように選べばよいのかわからない・・・」
この記事を読んでいるあなたは、上記のようなことを考えているかもしれません。
クーラントろ過装置は、クーラント液中の微細なスラッジを分離・回収し、液を清浄化する重要な装置です。クーラント液は機械の冷却や潤滑に使用されますが、稼働に伴いスラッジが蓄積します。このスラッジは機械の性能低下や故障の原因となるため、クーラントろ過装置でクーラント液を清浄に保つ必要があります。
市場には様々なメーカーの製品が存在し、性能や価格が多岐にわたります。そのため、自社に最適な装置を選ぶには慎重な比較検討が欠かせません。
そこで今回は、クーラントろ過装置のおすすめメーカー5社を詳しく紹介します。
また、メーカー選びのポイントや導入のメリットについても解説していきますね。主要メーカーの一覧も掲載しているので、製品導入を検討する際の参考にしてください。
クーラントろ過装置の選定に悩んでいる方は、ぜひこの記事を最後までお読みください。
クーラントろ過装置のおすすめメーカー5選
クーラントろ過装置を選ぶ際、各メーカーの特徴を知ることが重要です。ここでは、業界をリードする5社を紹介します。
クーラントろ過装置の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
濾過精工株式会社
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 濾過精工株式会社 |
| 設立 | 2011年9月 |
| 資本金 | 6,470万円 |
| 住所 | 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-10-1ゲーテハウス株式会社内5階 |
| 電話番号 | 03-6264-8575 |
| 公式サイト | https://www.rokaseiko.com/ |
濾過精工株式会社は、高精度なクーラントろ過システムで知られる企業です。2016年に特許を取得した独自のろ過・逆洗浄技術が最大の強みです。この技術により、従来除去が困難だった微小なスラッジまで取り除くことが可能になりました。
特にレンズや光学製品、電子部品など、極めて高い精度が要求される分野で威力を発揮します。同社の製品は、加工精度の向上と不良品の削減に大きく貢献し、センタースルー加工の実現や加工傷の低減などのメリットをもたらします。
高精度加工や品質向上を目指す企業にとって、理想的な選択肢となるでしょう。
濾過精工の製品導入を検討する際には、まず、製品カタログを請求してみましょう。高品質なクーラントろ過装置を選ぶために、濾過精工の製品を検討してみましょう。
イースタン技研
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | イースタン技研株式会社 |
| 設立 | 1970年6月 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 住所 | 神奈川県大和市福田六丁目9-21 |
| 電話番号 | 046-268-3131 |
| 公式サイト | https://www.eastern-tech.co.jp/ |
イースタン技研は、1970年創立の研究開発型企業です。同社の強みは、カートリッジフィルター方式のクーラントろ過装置にあります。マグネットセパレータでは除去できない砥石カスや非鉄金属のスラッジも効果的に取り除けるのが特徴です。
全国に20ヶ所の営業拠点を持ち、きめ細かなサポートを提供しています。開発・製造・販売が一体となって顧客ニーズに対応し、複合的な技術を活かした製品開発を行っています。
クーラントの腐敗防止や砥石の目詰まり防止、スラッジの固着防止などにより、総合的なコスト低減を実現できます。多様な加工ニーズに応える柔軟性が魅力です。
三鷹工業所
| 項目 | 詳細 |
| 会社名 | 株式会社三鷹工業所 |
| 所在地 | 愛知県小牧市上末字雁戸嶋1857-1 |
| 電話番号 | 0568-72-5031 |
| 設立 | 昭和42年7月12日 |
| 資本金 | 1,200万円 |
| 公式サイト | http://mitaka-ind.co.jp/ |
三鷹工業所は、環境装置やろ過装置、排水処理装置の製造・販売を行う老舗企業です。同社の特徴は、多様なろ過ニーズに応える幅広い製品ラインナップにあります。
特許取得の全自動プレコート式精密濾過装置RRFや、消耗品不要のMITAKAダイレクトクリーンなど、革新的な製品を提供しています。高精度加工を追求する製造業や、環境負荷低減とコスト削減を目指す企業に適しています。
ミクロン単位の粒子除去能力や、スラッジのリサイクル回収機能など、先進的な技術を採用しているのが強みです。長年の経験と優れた技術力で、産業界の合理化・省力化に貢献しています。
アイエムティー
| 項目 | 詳細 |
| 会社名 | アイエムティー株式会社 |
| 住所 | 和歌山県日高郡印南町西ノ地1333 |
| 電話番号 | 0738-43-0333 |
| 公式サイト | https://e-imt.co.jp/index.html |
アイエムティーは、半導体や液晶業界向けの精密研磨技術に特化した企業です。研磨機や研磨装置の開発・製作を行い、高精度な研磨と効率的な排気を実現しています。
同社の強みは、ナノレベルの精度を要する加工に対応できる点です。全自動研磨機Cyrex-8は、0.1μm単位の精密な制御が可能で、高度な平坦化処理を実現します。
また、多様な素材に対応できる柔軟性も特徴です。金属から半導体ウェーハ、ガラスまで幅広い材料を扱えます。研磨プロセスの効率化を目指す企業にとって、アイエムティーの製品は強力なツールとなるでしょう。
中部クリーン
| 項目 | 詳細 |
| 会社名 | 中部クリーン株式会社 環境機械 |
| 所在地 | 岐阜県可児市広見在原518番地 |
| 電話番号 | 0574-63-1221 |
| 公式サイト | http://chubu-cl.com/ |
中部クリーンは、生産と環境の調和を目指す企業です。同社の製品は、工場環境の改善と資源の有効活用に特化しています。
クーラント液自動希釈供給装置や高精度逆洗式ろ過装置など、独自の技術を活かした製品を提供しています。作業環境の改善を目指す製造業や、資源の有効活用とコスト削減を重視する企業に適しています。
特に、3K（きつい・危険・汚い）問題の解消に効果的で、クリーンな工場の実現をサポートします。クーラント液の長寿命化や効率的な再利用が可能となり、環境への配慮とコスト効率の向上を両立できるのが大きな魅力です。
クーラントろ過装置メーカー一覧
クーラントろ過装置はどれでも良いわけではなく、いくつか種類があるため目的や用途に応じて適切な装置を選ぶことが重要です。
以下の選び方を参考に、あなたにあったクーラントろ過装置を導入しましょう。
クーラントろ過装置とは
クーラントろ過装置は、工作機械で使用されるクーラント液を浄化し、再利用可能にする重要な設備です。ここでは、その仕組みや役割、種類について詳しく解説していきます。
クーラントろ過装置の仕組み
クーラントろ過装置の基本的な仕組みは、汚れたクーラント液の回収から始まります。加工中に発生したスラッジ（金属粉や砥石粉）を含むクーラント液を集め、ろ過処理を行うのです。この過程では、フィルターや遠心力などを利用してクーラント液からスラッジを分離します。
最後に、浄化されたクーラント液を再び工作機械に供給するわけです。この循環プロセスにより、クーラント液を常にクリーンな状態に保ち、加工品質の向上と工具の長寿命化を実現しています。
クーラントろ過装置の役割と重要性
クーラントろ過装置は製造プロセスにおいて多岐にわたる重要な役割を果たします。まず、清浄なクーラント液を使用することで加工精度が向上し、より精密な加工が可能になるのです。
また、スラッジによる工具の摩耗を防ぐことで、切削・研削工具の寿命を大幅に延ばします。さらに、機械部品の損傷を防ぐことで工作機械自体の寿命も延長できるでしょう。コスト面では、クーラント液の寿命を延ばし交換頻度を減らすことで、運用コストを削減できます。環境面においても、クーラント液の使用効率を高めることで廃液量を減らし、環境への負荷を軽減するのです。
これらの役割により、クーラントろ過装置は現代の製造業において不可欠な設備となっています。
クーラントろ過装置の種類
クーラントろ過装置には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
カートリッジフィルター式は、フィルターエレメントを使用してスラッジを捕捉し、高い濾過精度が特徴です。遠心分離機は遠心力を利用してスラッジを分離し、大量のクーラント液を高速で処理できるでしょう。サイクロンフィルターは旋回流を利用し、比較的大きな切粉の除去に適しています。マグネットセパレーターは磁力で鉄系のスラッジを除去し、他の方式と組み合わせて使用されることも多いのです。
ドラムフィルターは回転するドラム状のフィルターでスラッジを捕捉し、連続運転が可能で大量処理に適しています。逆洗浄式フィルターは定期的にフィルターを逆洗浄することで、長期間の安定した濾過性能を維持できます。
これらの中から、加工方法やスラッジの特性に応じて最適な装置を選択することが重要です。
クーラントろ過装置のメーカーの選び方
工作機器から発生するスラッジを、ろ過する装置をまとめてクーラントろ過装置と言いますが、使用用途に応じてさまざまな製品があります。
ここからは、クーラントろ過装置選びのコツについて2つご紹介します。
それぞれ解説していきます。
目的にあったクーラントろ過装置があるかどうか
クーラントろ過装置には以下の種類があります。
- 遠心分離機
- サイクロンフィルター
- チップコンベア+ドラムフィルター
- マグネットセパレーター
- カートリッジフィルター
これらはろ過の仕方によって適した装置が異なります。
スラッジの状況や、研削加工か切削加工のどちらで加工しているかによって選ぶようにしましょう。
研削加工は砥石を用いて削り取るため、もろくて堅い材質のスラッジが発生するため、ろ過精度が高いフィルターろ過装置やマグネットセパレーターが適しています。
一方で、切削加工はダライ粉が発生するため、スラッジよりも大きい切粉の処理に適したサイクロンフィルターがおすすめです。
スラッジの特性にあったクーラントろ過装置かどうか
クーラントろ過装置には、遠心分離機やサイクロンフィルター・カートリッジフィルターなど種類があります。
クーラント装置を導入する際は、スラッジの大きさや種類に合わせて、適切なクーラントろ過装置を選択する必要があります。例えば、遠心分離機の場合、10μ以上のスラッジが対象となるため遠心分離機で9μ以下のスラッジはろ過できないということになります。
そのため、スラッジの状態を明確にすることで、対応できるクーラントろ過装置を選ぶことがおすすめです。
またクーラント装置には、定期的にフィルターを洗浄する逆洗浄機能付きのものがあります。
定期的に洗浄することで清潔な状態が保たれるので、コストを抑えて使用していきたい方におすすめです。
クーラントろ過装置を導入するメリット3選
クーラントろ過装置の導入は、製造プロセスに多大な利点をもたらします。主に以下の3つのメリットが挙げられるでしょう。
加工精度向上
クーラントろ過装置の導入により、加工精度が飛躍的に向上します。装置がクーラント液中の微細な切粉やスラッジを効果的に取り除くため、加工面の品質が大幅に改善されるのです。清浄なクーラント液の使用により、加工時の熱発生も抑制されます。
その結果、熱変形による精度低下を防止できるでしょう。さらに、クリーンなクーラント液は機械部品の摩耗も軽減します。これにより、長期的に安定した加工精度を維持することが可能になります。
製品の表面粗さが改善され、寸法精度が向上するため、特に精密部品や高付加価値製品の製造において重要なメリットとなるのです。
切削・研削工具の寿命延長
クーラントろ過装置の使用は、切削・研削工具の寿命を大幅に延長させる効果があります。清浄なクーラント液により、工具と加工物間の潤滑性が向上し、摩擦や熱の発生が抑制されるのです。
そのため、工具の摩耗が軽減され、切れ味が長期間維持されます。工具交換の頻度が減少することで、生産ラインのダウンタイムが短縮されるでしょう。これは生産性の向上に直結します。同時に、工具費用の削減にもつながり、製造コストの低減に貢献するのです。
また、工具性能の安定により、より高度な加工技術の適用も可能になります。
クーラント液の寿命延長
効果的な濾過システムの導入により、クーラント液の寿命を大幅に延長することができます。不純物や切粉が効率的に除去されることで、クーラント液の性能が長期間維持されるのです。これにより、液の交換頻度が減少し、購入コストと廃液処理費用の削減につながります。
また、クーラント液の安定した性能維持は、加工品質の一貫性にも寄与するでしょう。液の劣化による加工精度の低下を防ぐことができるため、製品の品質管理がより容易になります。
さらに、廃液量の削減は環境負荷の低減にもつながり、企業の環境責任を果たすことにも貢献するのです。
クーラントろ過装置はカートリッジフィルターがおすすめ
ここまで、クーラントろ過装置の導入の仕方について紹介してきました。
しかしながら、自社の導入を検討した際にどのようなタイプのクーラントろ過装置が合うのか判断に迷う方もいらっしゃるはず。
結論として、当メディアが推奨しているのは、ろ過精度の範囲が広いカートリッジフィルターです。細かいスラッジでも対応できるため幅広く対応可能です。
またカートリッジフィルターには、逆洗浄付きのタイプがあります。フィルターを直接洗浄することができるので、長期的に使用する方におすすめしています。
どのタイプを導入するか判断に迷う場合は、複数社比較し検討すると良いでしょう。
クーラントろ過装置導入時の注意点
クーラントろ過装置を導入する際には、いくつかの重要な点に注意を払う必要があります。主に以下の3点が挙げられるでしょう。
設置スペースの確保
クーラントろ過装置を導入する際、十分な設置スペースを確保することが重要です。装置のサイズは製品によって異なるため、事前に設置場所の寸法を確認し、適切な機種を選択する必要があるでしょう。
また、メンテナンスや清掃作業のためのスペースも考慮に入れなければなりません。工場レイアウトの変更が必要となる場合もあるため、導入前に十分な検討が求められます。
さらに、将来的な生産ライン拡張の可能性も視野に入れ、余裕を持ったスペース計画を立てることが賢明でしょう。
既存システムとの適合性
新たにクーラントろ過装置を導入する際は、既存の工作機械や生産システムとの適合性を慎重に検討する必要があります。
配管や電気系統の接続、制御システムの互換性など、様々な観点から適合性を確認しなければならないのです。場合によっては、既存設備の改修や追加工事が必要となることもあるでしょう。
また、作業者の操作性や既存の作業フローへの影響も考慮に入れる必要があります。導入前に十分な調査と検討を行い、スムーズな統合を図ることが重要です。
ランニングコストの検討
クーラントろ過装置の導入を検討する際、初期投資だけでなくランニングコストも重要な検討事項となります。電力消費量、フィルターなどの消耗品の交換頻度と費用、メンテナンス費用などを総合的に評価する必要があるでしょう。
装置の耐久性や故障時の対応なども考慮に入れなければなりません。長期的な視点でコストパフォーマンスを分析し、自社の生産規模や予算に見合った装置を選択することが重要です。さらに、導入によるコスト削減効果や生産性向上のメリットも加味し、総合的な判断を下すことが求められるのです。
まとめ
今回はクーラントろ過装置のおすすめや選び方のポイントについて紹介してきました。
クーラントろ過装置を導入することで自社の製品の精度を向上するだけでなく、コスト削減などのメリットにも繋がります。
この記事で紹介した製品の特長を理解した上で、使用用途に応じて自社に合うクーラントろ過装置の導入を検討してみてください。
