「クーラントろ過装置の価格はいくら?」
「クーラントろ過装置を扱うおすすめのメーカーは?」
クーラントろ過装置の導入を検討している方の中には、上記のような疑問を抱いている方もいることでしょう。クーラントろ過装置には、さまざま種類があり、目的や用途によって適切な装置が異なります。
そのため、どの製品を購入したらいいのか、価格はいくらぐらいなのか気になる方も多いはず。適切なクーラントろ過装置を導入することで、クーラントの清浄・長寿化につながります。
そこで今回は、クーラントろ過装置の価格からおすすめメーカーを紹介します。クーラントろ過装置の種類別の特徴も合わせて解説するため、参考にしてください。
また、以下の記事ではクーラント濾過装置導入でおすすめのメーカーを紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてみて下さい。
クーラントろ過装置とは
クーラントろ過装置は、クーラント内の微細なスラッジを分離して回収し、クーラントを清浄化する機器です。スラッジはクーラント液の寿命を縮めたり、工作物や工具を傷つけるといった恐れがあります。
そのため、クーラントろ過装置を導入することで、スラッジによるトラブルを防止し、加工精度の向上や工具寿命の延長につながるでしょう。
また、クーラントろ過装置にはさまざまな種類があるため、目的や用途に合わせて適切な装置を選ぶことが重要となります。最適な装置を選び、スラッジを適切に処理することで、クーラント内を初期の清浄な状態で保てるでしょう。
クーラントろ過装置の価格
クーラントろ過装置の価格は、数十万円から数百万円するものもあるため、一概にはいえません。機能や性能が高ければ高いほど、価格も高くなる傾向にあり、ろ過精度やろ過速度の高い装置はより高価となります。
一度に可能なろ過のキャパシティも価格に影響を与え、大型の装置ほどキャパシティが増えて作業効率がアップしますが、その分価格も高くなるでしょう。また、追加オプションやカスタマイズによっても価格は大きく変動します。
上記のように、クーラントろ過装置の価格はピンキリとなっているため、正確な価格を知るためには、直接問い合わせた方がいいでしょう。
クーラントろ過装置の種類
クーラントろ過装置は、目的や用途に合わせて適切な製品が異なります。ここからは、下記3種類のクーラントろ過装置を紹介するため、自分に合った製品を見つける参考にしてください。
それぞれの特徴を解説していきます。
カートリッジフィルター
カートリッジフィルターは、クーラント液に混入するスラッジを、フィルターエレメントで補修・除去する循環型のろ過装置です。10μ以下のスラッジにも対応しているため、細かいスラッジをろ過したい方におすすめとなります。
また、他の装置でろ過しきれなかったスラッジを除去する、二次処理としても活用できるでしょう。ただし、フィルターを通してろ過する関係上、目詰まりによって連続運転ができなくなってしまうこともあります。
そのため、目詰まりを軽減する逆洗浄機能が備わったろ過装置を選ぶといいでしょう。
遠心分離機
遠心分離機は、遠心力を使ってクーラント液から異物を分離し、回収する装置です。フィルター式と違って濾布やフィルター等の消耗品がなく、必要なのは電気やエアーといった動力源のみとなっています。
超硬やセラミック・鋳物などの脆性材に適しており、粗くて大量のスラッジをろ過したい方におすすめです。ただし、10μ以下の微細なスラッジには対応していないため、注意しましょう。
遠心分離機について詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
マグネットセパレーター
マグネットセパレーターは、磁石の力で磁性の切粉・スラッジを吸着させて排出する装置です。工作機械からタンクにクーラント液が戻る際に、マグネットセパレーターを通してスラッジを回収する仕組みとなっています。
アルミ・スチール・鉄などの金属素材をろ過したい方におすすめの装置です。ただし、非磁性のスラッジなどは分離できないため注意してください。
マグネットセパレーターについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
サイクロンフィルター
サイクロンフィルターは、遠心力を利用して液体や気体から固形物を分離する装置です。液体や気体がサイクロンフィルター内部に流れ込むと、円筒形の構造に沿って高速で旋回します。
この旋回によって発生する遠心力により、比重の大きな異物や固形物が外側へ移動し、底部に集められます。一方、比重の小さな液体や気体は中心部を通って排出されます。
この仕組みは、主に大きな異物や粗いスラッジを効率的に分離するのに適しており、特に切削加工や機械加工の現場で利用されることが多いです。ろ材を使用しないため、フィルター交換やメンテナンスが少なく済むのも特徴です。
さらに、シンプルな構造で耐久性が高く、ランニングコストが低い点も魅力です。ただし、サイクロンフィルターは細かい粒子の分離には適していない場合があります。そのため、必要に応じて他のろ過装置と組み合わせて使用することが推奨されます。
なお、以下の記事ではサイクロンフィルターについて詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
ドラムフィルター
ドラムフィルターは、回転する円筒形のドラムを使用して液体中の異物やスラッジを分離するろ過装置です。主にクーラント液や産業用排水処理などで使用され、広い面積で効率的なろ過が可能です。
ドラム表面にはメッシュやフィルターが装着されており、液体がドラム内部を通過する際に固形物を捕集します。この装置の特徴は、自動洗浄機能を備えている点です。
ろ過時にフィルターに付着したスラッジは、ドラムの回転と洗浄水で自動的に除去されるため、メンテナンスの負担が軽減されます。また、連続運転が可能なため、処理能力が高く、大量のスラッジを処理する現場に適しています。
ドラムフィルターは、比較的大きな異物や粗いスラッジの分離に適しており、切削加工や研削加工の現場で広く採用されています。ただし、細かい粒子の除去には適さない場合があるため、必要に応じて他の装置と併用することで効果を最大化できます。
なお、以下の記事ではドラムフィルターについて詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
クーラントろ過装置を導入する5つのメリット
クーラントろ過装置は、機械加工や切削加工などの現場で導入が進んでいる設備のひとつです。ろ過精度を高めることで、作業効率や加工品質を向上させるだけでなく、長期的なコスト削減やトラブル防止にも大きく貢献します。
ここでは、導入によって得られる5つの具体的なメリットを紹介します。
以下でそれぞれのメリットについて詳しく解説します。
クーラント液の寿命が延びる
クーラントろ過装置を導入することで、クーラント液に混入するスラッジや切粉などの不純物を継続的に除去でき、液の劣化を防ぐことが可能です。
通常、ろ過装置を使用しない場合は、数週間から数カ月で液の交換が必要になりますが、ろ過を通じて寿命が倍以上に延びるケースも少なくありません。これにより、クーラント液の購入コストや廃液処理費用を削減できます。
さらに、頻繁な交換作業が不要になるため、運用負担の軽減にもつながるでしょう。
加工品質の安定化
クーラント液が清浄な状態に保たれると、切削や研削時の工具寿命が伸び、製品の寸法精度や表面仕上げの品質が安定します。
微細な異物や金属粉が混入した液を使用すると、工具摩耗や加工ムラの原因になり、結果として不良品が増える可能性があるので注意が必要です。しかし、ろ過装置を使うことで、常に最適な冷却・潤滑状態を維持できるため、長期的に安定した生産が可能になります。
高精度が求められる現場では、品質向上に直結する重要な設備です。
設備トラブルの予防
ろ過装置によってタンク内の異物が除去されることで、ポンプの詰まりや配管の汚れ、ノズルの目詰まりなどのトラブルを未然に防げます。これらの問題は一度発生すると設備の稼働停止や高額な修理費用につながるため、予防できることが大きなメリットです。
特に24時間稼働するような生産ラインでは、トラブルの影響が大きいため、ろ過装置の導入は安定運用のカギとなります。結果として、稼働率の向上と保守コストの削減が期待できるでしょう。
労力・作業時間の削減
従来のクーラント管理では、スラッジ除去や液交換を人手で行う必要があり、時間も労力もかかっていました。ろ過装置を導入することで、それらの作業を大幅に自動化でき、作業者の負担が軽減されます。
装置によっては24時間連続でろ過運転が可能なタイプもあり、人手を介さずに清浄な液を維持することが可能です。これにより、作業員は本来の業務に集中できるため、生産性の向上や人件費の最適化にもつながるでしょう。
作業環境の改善
ろ過されていないクーラント液は、悪臭の発生や床の汚れ、菌の繁殖など、作業環境の悪化を引き起こす原因になります。ろ過装置を設置することで、液の腐敗や臭気の発生を防ぎ、作業空間の衛生状態を改善することが可能です。
また、清潔な環境は従業員のストレス軽減にもつながり、安全性や快適性の面でもプラスになります。特に長時間の立ち作業や共有設備がある職場では、作業環境の質がそのまま生産性に影響するでしょう。
クーラントろ過装置を選ぶ際のポイント
ここからは、クーラントろ過装置を選ぶ際のポイントを3つにまとめて紹介します。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
加工方法に合った製品を選ぶ
クーラントろ過装置を選ぶ際は、使用する加工方法に適した製品を選ぶことが重要です。「研削加工」か「切削加工」のどちらを行うかによって、適したクーラントろ過装置が大きく異なります。
研削加工では、砥石を使用して削るため、もろくて硬い材質のスラッジが発生します。この場合、ろ過精度の高いフィルターろ過装置や遠心分離機、マグネットセパレーターなどが最適です。これらの装置は細かいスラッジを効率的に除去できます。
一方、切削加工では刃物を使用するため、数ミリから数センチ程度の大きな切粉が発生します。このような切粉の処理には、サイクロンフィルターが適しています。サイクロンフィルターはスラッジよりも大きい切粉の分離に優れています。
このように、加工方法に応じて最適な装置を選定することで、効率的なろ過処理を実現できます。自社の加工方法に合った装置を選び、最適な処理環境を整えましょう。
スラッジの特性から選ぶ
クーラントろ過装置を選ぶ際には、発生するスラッジの特性を正確に把握することが重要です。スラッジの大きさ、量、材質によって適した装置が異なるため、事前の確認が必要です。
例えば、10μm以下の微細なスラッジを除去したい場合には、フィルターろ過装置が最適といえます。フィルターろ過装置は高いろ過精度を持つ製品が多く、スラッジを効率的に除去することが可能です。
一方、10μm以上のスラッジを対象とした遠心分離機を使用する場合、微細なスラッジが残る可能性があります。このような場合には、二次処理としてフィルターろ過を追加導入し、残留スラッジを除去するのが一般的です。
このように、スラッジの特性や現状の課題を明確にし、それに適したクーラントろ過装置を選定することで、最適な処理効果を得られるでしょう。
複数社を比較する
クーラントろ過装置を導入する際には、複数のメーカーを比較することが非常に重要です。メーカーごとに提供される機能や価格、保証内容が異なるため、慎重な検討が必要です。
特に保証内容は重要なポイントで、事前に確認を怠ると、万が一装置が故障した際に業務が停止してしまうリスクがあります。これを防ぐためにも、保証条件やアフターサポートの充実度をしっかり確認することが大切です。
装置の選定においては、導入目的や業務に合った製品を選ぶことが成功の鍵となります。そのため、最低でも3社以上の製品を比較し、それぞれの特徴やメリットを踏まえた上で最適な選択をしましょう。
信頼できるクーラントろ過装置メーカーの選び方
クーラントろ過装置は導入後も長く使い続ける設備のため、メーカー選びは非常に重要です。誤った選定は、期待した性能が得られなかったり、運用面で不安が残る原因にもなりかねません。
信頼できるメーカーを選ぶには、複数の観点から総合的に判断することが大切です。ここからは、信頼できるクーラントろ過装置メーカーの選び方について解説します。
以下でそれぞれのポイントについて具体的に解説します。
導入実績が豊富なメーカーを選ぶ
導入実績が多いメーカーは、装置の信頼性と製品開発力があることの証といえます。特に、同業種や同規模の工場への納入事例が豊富な場合、自社の用途に合った装置選定がしやすくなります。
メーカーの公式サイトで事例を公開しているか、過去にどのような設備に対応してきたかを確認することがポイントです。
また、長年の稼働実績やリピート導入されている企業が多いかどうかも、信頼性を見極める材料になります。実績は技術力と提案力の裏付けといえるでしょう。
性能や仕様が明確なメーカーを選ぶ
ろ過装置は「ろ過精度」「対応流量」「使用できる液の種類」など、細かな仕様が性能に大きく関わります。信頼できるメーカーは、こうした技術情報を明確に公開しており、導入前に仕様書やカタログで詳細が確認できる体制を整えています。
また、使用現場の状況に応じて、仕様をカスタマイズできる柔軟性があるかも重要なポイントです。装置の特性や制限事項を曖昧にせず、根拠ある説明をしてくれるメーカーであれば、安心して導入検討が進められるでしょう。
アフターサポートが充実しているメーカーを選ぶ
クーラントろ過装置は日々の運転と保守管理が求められるため、納品後のサポート体制も重要な選定基準です。信頼できるメーカーは、定期点検・消耗品の供給・トラブル発生時の対応スピードに至るまで、明確なサポート方針を提示しています。
導入時に対応エリアや保守契約の有無、対応時間などを確認しておくことで、稼働後の不安を軽減することが可能です。サポート体制が整っているメーカーであれば、長期運用も安心して任せることができるでしょう。
クーラントろ過装置のおすすめメーカー
クーラントろ過装置を購入したいが、どこで購入すればいいのか悩んでいる方もいることでしょう。ここでは、クーラントろ過装置のおすすめメーカーとして下記の2社を紹介します。
クーラントろ過装置を購入するメーカー選びの参考にしてください。
濾過精工株式会社

濾過精工株式会社は、クーラントのなかでも精密機械用クーラントに特化した、高性能ろ過システムの開発と普及に取り組んできた会社です。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 濾過精工株式会社 |
設立年月日 | 2011年9月 |
資本金 | 6470万円 |
所在地 | 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-10-1 ゲーテハウス株式会社内5F |
電話番号 | 03-6264-8575 |
公式HP | https://www.rokaseiko.com/ |
近年では、精密ろ過装置だけでなく、経験により積み上げたノウハウを活かし、クーラントタンク製造含めたクーラントシステム全体を提案しています。
濾過精工株式会社が提供する『精密クーラントろ過システム』は、スラッジをフィルターエレメントで捕集・除去し、クーラントの初期状態を可能な限り保持する循環式ろ過装置です。
特許を取得した独自の精密で円滑なろ過によって、加工に極めて高度な正確さを要求される分野でも、クーラントの清浄・長寿化に貢献しています。
また、逆洗浄機能も備わっているため、安定したろ過だけでなく、フィルター交換頻度も少ないです。濾過精工株式会社の提案する製品は、多岐にわたる分野での需要が見込めるでしょう。
また、濾過精工株式会社についてより詳しく知りたい方は、公式サイトに問い合わせをしてみてください。
以下の記事では濾過精工の会社の特徴や商品などを詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。
イースタン技研株式会社

イースタン技研は1970年の創立以来、ユーザーの立場に立ち、より良い製品・サービスを提案してきた会社です。設計開発から機械製作・修理メンテナンスに至るまで各部門と連携し、一貫した製造体制を確立することで、高機能かつコストパフォーマンスの高いマシンを提供しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | イースタン技研株式会社 |
設立 | 1970年6月 |
資本金 | 5,000万円 |
住所 | 神奈川県大和市福田六丁目9番地の21 |
電話番号 | 046-268-3131 |
イースタン技研のクーラントろ過装置は、ワイヤーカット放電加工機に使用される高性能ろ過フィルターが使用可能です。そのため、マグネットセパレータでも取り除けない砥石カスや非鉄金属のスラッジも、根こそぎ除去できます。
また、コンパクト設計で場所を取らないため、小規模な工場でも活用できるでしょう。イースタン技研のクーラントろ過装置を使用することで、あらゆるスラッジを確実に除去し、ワークの仕上がりを向上させます。
以下では、イースタン技研について詳しく解説しているので、参考にしてください。
まとめ
今回は、クーラントろ過装置の価格からおすすめメーカーを解説しました。クーラントろ過装置の価格は、数十万円から数百万円するものもあるため、一概にはいえません。
機能や性能によって価格が大きく変動するため、正確な価格を知るには、直接問い合わせた方がいいでしょう。クーラントろ過装置のおすすめメーカーは下記になります。
- 濾過精工株式会社
- イースタン技研株式会社
上記の2社は、どちらも優れたクーラントろ過装置を扱っているため、あなたに合う装置が見つかるはずです。クーラントろ過装置の導入を検討している方は、価格も含めて一度相談してみてください。