「サイクロンフィルターの原理は?」
「サイクロンフィルターでは何ができるの?」
サイクロンフィルターは、液体や気体に混じったスラッジを分離するための装置です。
工業のプロセスで発生するスラッジを除去したく、サイクロンフィルターの導入を検討している方もいることでしょう。
しかし、サイクロンフィルターの原理や特徴を詳しく理解している方は少ないはず。
ろ過装置には、さまざま種類があり、目的や用途によって適切な装置が異なります。
そのため、中にはサイクロンフィルター以外のろ過装置の方が適している方もいるかもしれません。
そこで今回は、サイクロンフィルターの原理について解説します。サイクロンフィルターの種類と特徴も解説するため、参考にしてください。
サイクロンフィルターとは
サイクロンフィルターとは、液体や気体に混じったスラッジを分離するための装置です。
ろ過対象物を高速回転させ、遠心力を発生させることで粉末状の固体を分離します。
シンプルな構造でありながらも、高い分離効率を持ち、耐摩耗性や耐腐食性にも優れているのが特徴です。
また、フィルターカートリッジなどを使用しないため、フィルターの目詰まりによる交換の手間もありません。ただし、10μ以下の微細なスラッジには対応していないため、注意しましょう。
サイクロンフィルターの原理
サイクロンフィルターの分離方法は、遠心力を利用したものです。
気体や液体を円錐形の容器に高速で流し込むと、容器内で気体や液体が渦を巻き始め、遠心力によって粉末状の固体は外側に押し出されます。
その後、下部の開口部から濃縮されたスラッジを排出し、上部からは清浄になった気体や液体を排出します。
上記のような原理によって、サイクロンフィルターはスラッジを除去しているのです。
サイクロンフィルターの種類
サイクロンフィルターにはさまざまな分類方法があり、ろ過対象物に着目した場合は、下記2種類となります。
それぞれの特徴を解説していきます。
液体サイクロン
液体サイクロンは、主に液体を処理するために使用されるサイクロンフィルターです。
工業プロセスでのクーラント液の再利用や廃水処理に使用されます。
媒体が液体のため、粘性が気体に比べて著しく大きく、固体との比重差が小さいことから乾式サイクロンに比べて非常に小型です。
また、構造が単純なため、処理能力が大きく、据付面積も非常に小さいことから、広範囲な用途に使用できるでしょう。
乾式サイクロン
乾式サイクロンは、気体中の粉塵や微粒子を除去するために使用されるサイクロンフィルターです。
主に産業プロセスでの粉塵除去や空気清浄装置として使用されます。
工場内の排気ガスから有害な微粒子を除去したり、粉塵の舞う環境の空気を浄化してくれるでしょう。
サイクロンフィルター以外のクーラントろ過装置
クーラントろ過装置には、サイクロンフィルター以外にも下記のようなろ過装置があります。
目的や用途に合わせて適切な製品が異なるため、自分に合った製品を見つける参考にしてください。
カートリッジフィルター
カートリッジフィルターは、クーラント液に混入するスラッジを、フィルターエレメントで補修・除去する循環型のろ過装置です。
10μ以下のスラッジにも対応しているため、細かいスラッジをろ過したい方におすすめとなります。
また、他の装置でろ過しきれなかったスラッジを除去する、二次処理としても活用できるでしょう。
ただし、フィルターを通してろ過する関係上、目詰まりによって連続運転ができなくなってしまうこともあります。
そのため、目詰まりを軽減する逆洗浄機能が備わったろ過装置を選ぶのがおすすめです。
マグネットセパレーター
マグネットセパレーターは、磁石の力で磁性の切粉・スラッジを吸着させて排出する装置です。
工作機械からタンクにクーラント液が戻る際に、マグネットセパレーターを通してスラッジを回収する仕組みとなっています。
アルミ・スチール・鉄などの金属素材をろ過したい方におすすめの装置です。
ただし、非磁性のスラッジなどは分離できないため注意してください。
マグネットセパレーターについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。
クーラントろ過装置のおすすめメーカー
クーラントろ過装置を購入したいが、どこで購入すればいいのか悩んでいる方もいることでしょう。
ここでは、クーラントろ過装置のおすすめメーカーとして下記の2社を紹介します。
クーラントろ過装置を購入するメーカー選びの参考にしてください。
濾過精工株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 濾過精工株式会社 |
住所 | 東京都中央区日本橋蛎殻町1-10-1 |
電話番号 | 03-6264-8575 |
公式サイト | https://www.rokaseiko.com/ |
濾過精工株式会社は、クーラントのなかでも精密機械用クーラントに特化した、高性能ろ過システムの開発と普及に取り組んできた会社です。
近年では、精密ろ過装置だけでなく、経験により積み上げたノウハウを活かし、クーラントタンク製造含めたクーラントシステム全体を提案しています。
濾過精工株式会社が提供する『精密クーラントろ過システム』は、スラッジをフィルターエレメントで捕集・除去し、クーラントの初期状態を可能な限り保持する循環式ろ過装置です。
特許を取得した独自の精密で円滑なろ過によって、加工に極めて高度な正確さを要求される分野でも、クーラントの清浄・長寿化に貢献しています。
また、逆洗浄機能も備わっているため、安定したろ過だけでなく、フィルター交換頻度も少ないです。
濾過精工株式会社の提案する製品は、多岐にわたる分野での需要が見込めるでしょう。
イースタン技研株式会社
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | イースタン技研株式会社 |
住所 | 神奈川県大和市福田6-9-21 |
電話番号 | 046-268-3131 |
公式サイト | https://www.eastern-tech.co.jp/ |
イースタン技研は1970年の創立以来、ユーザーの立場に立ち、より良い製品・サービスを提案してきた会社です。
設計開発から機械製作・修理メンテナンスに至るまで各部門と連携し、一貫した製造体制を確立することで、高機能かつコストパフォーマンスの高いマシンを提供しています。
イースタン技研のクーラントろ過装置は、ワイヤーカット放電加工機に使用される高性能ろ過フィルターが使用可能です。
そのため、マグネットセパレータでも取り除けない砥石カスや非鉄金属のスラッジも、根こそぎ除去できます。
また、コンパクト設計で場所を取らないため、小規模な工場でも活用できるでしょう。
イースタン技研のクーラントろ過装置を使用することで、あらゆるスラッジを確実に除去し、ワークの仕上がりを向上させます。
まとめ
今回は、サイクロンフィルターの原理について解説しました。
サイクロンフィルターとは、液体や気体に混じったスラッジを分離するための装置です。
ろ過対象物を高速回転させ、遠心力を発生させることで粉末状の固体を分離します。
ろ過装置には、サイクロンフィルター以外にもさまざま種類があり、目的や用途によって適切な装置が異なるでしょう。
クーラントろ過装置の導入を検討される際はサイクロンフィルターだけでなく、他のろ過装置も検討してください。
今回解説した内容を参考にして、自分に適したろ過装置を選んでみましょう。