ドラムフィルターの原理は?スラッジを除去する仕組みからおすすめのメーカーを解説

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「ドラムフィルターの原理は?」

「ドラムフィルターでは何ができるの?」

ドラムフィルターは、円筒形のろ過面を持つ回転式のろ過装置です。

各種工場で発生するスラッジを除去したく、ドラムフィルターの導入を検討している方もいることでしょう。

しかし、ドラムフィルターとはどういったろ過装置なのか、ドラムフィルターの原理を理解している方は少ないはず。

ろ過装置の特徴や原理を理解することで、ろ過対象物の特性や目的・用途に合わせた使い方ができるでしょう。

そこで今回は、ドラムフィルターの原理について解説します。

おすすめのクーラントろ過装置メーカーも紹介しているため、参考にしてください。

また、以下の記事ではクーラント濾過装置導入でおすすめのメーカーを紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてみて下さい。

目次

ドラムフィルターとは

ドラムフィルターは、化学工業や食品工業・金属工業・上下水道など幅広い分野で用いられているろ過装置です。

フィルターの孔径を変更するだけであらゆる物質の除去が可能になるため、幅広い用途で取り入れられています。

そして、構造がシンプルなためメンテナンス性に優れ、設備の小型化も可能となっており、設備導入のハードルが比較的低いです。ただし、フィルターが目詰まりすることもあるため、フィルターの洗浄および交換は定期的に行う必要があります。

自動洗浄のろ過装置を導入すると、定期メンテナンスの手間を軽減できるでしょう。

ドラムフィルターの原理

ドラムフィルターは、基本的なろ過の仕組みを利用しつつ、連続処理や効率的な処理を可能にしたろ過方式です。回転するドラム状のフィルターを用いて異物などの濾過対象物を除去します。

ドラム状のろ過面を回転させ、真空ポンプやスクレーパーなどの装置と連動させると、フィルターに付着した固形物を分離できます。

通常のろ過装置では難しい高濃度のスラリーにも対応しています。ろ過後の脱水まで一度にできるため、効率的な連続処理が可能です。

フィルターの材質は金属製から樹脂製までさまざまなものがあり、フィルター孔径も多岐に渡るため、幅広い用途で使用できるでしょう。

スラッジとは

スラッジとは、切削加工や研削加工の際に、工作機械から発生する微細な切粉を指します。これらの微細な切粉は、加工中に使用するクーラント液と混ざり、液中を漂ったり、タンクの底に沈殿しています。

スラッジの管理は加工精度や機械の性能に大きな影響を与えるため、適切な対策が必要です。

スラッジの発生と特性

スラッジは金属の粉末や切削工具の摩耗によって発生する微細な粒子です。スラッジはタンク内のクーラント液の流れが速いと液中を漂い、流れが緩やかになると油分の影響で浮上したり、沈殿します。

工作機械が稼働している間、常に生成され続けます。スラッジがクーラント液中に混入すると、さまざまな問題を引き起こすため注意が必要です。

スラッジが引き起こす問題

スラッジをクーラント液中に混入すると以下のような問題が発生します。
工具の寿命短縮
クーラント液の腐敗
加工品質の低下

スラッジが液中に混入すると、切削・研削工具の摩耗が促進され、寿命が短くなります。特に、硬質のスラッジは工具の刃先に傷をつけ、切れ味を低下させてしまうため要注意です。

スラッジが液面を覆うと酸素供給が遮断されるため、嫌気性細菌が増殖します。これは、クーラント液が腐敗し、悪臭を発生させる原因です。

また、スラッジが加工物に付着すると、加工面の粗さが増し、スクラッチ傷を引き起こす恐れがあります。これにより、製品の外観や機能性が損なわれてしまうので、適切な処理が必要です。

スラッジの管理と除去方法

スラッジの管理には、定期的なメンテナンスと適切な除去方法が重要です。

定期的なメンテナンス

定期的なメンテナンスでは、クーラントタンクの清掃や液面のスキミング、沈殿物の除去を計画的に行う必要があります。特に、機械の稼働前後には徹底的な清掃を行うことが推奨されています。

適切なろ過装置の導入

スラッジを効率的に除去するには、クーラントろ過装置の導入が有効です。これにより、スラッジを自動的に回収し、クーラント液の清浄度を維持できます。

作業環境の改善

そして、作業環境を清潔に保ち、外部からのスラッジの混入を防ぐことも重要です。適切な換気システムを導入し、作業者への教育を行い、スラッジの発生を抑制しましょう。

スラッジは適切に管理されないと生産性や製品品質に悪影響を及ぼすため、定期的な対策が求められます。

ドラムフィルターの特徴と種類

ドラムフィルターは定期的な洗浄と交換が必要ですが、自動で洗浄してくれるタイプもあります。処理して分離した固形物はフィルター表面に堆積しており、『ケーク層』といいます。この堆積物を回収する方法のタイプは以下の4種類です。

タイプ方法対応
スパイラルロールと自然剥離によるタイプスパイラルと呼ばれる小口径のロールと自然剥離によってケーク層を回収する。薄いケーク層も自然に剥離できる
スクレーパーとエアブローによるタイプスクレーパーとエアブローによりケーク層を剥離する固形物の粒子径が大きく、ケーク層の厚みがある場合に最適
スクレーパーと転着ロールによるタイプスクレーパーと転着ロールを用いる方法厚さ1㎜程のケーク層も剥離できる。金属水酸化物や微粒子の酸化物の除去・回収に最適
スクレーパーとプレコート層を用いるタイプケーク層がほとんど形成されないような剥離が困難な場合に採用される方法プレコート層に捕捉された固形物はスクレーパーと共に剥離される。清澄なろ液を回収したい場合、微粒子を含み、濃度が低い液体の処理に最適

ドラムフィルターでは『スクレーパーとエアブローによるタイプ』のタイプが一般的です。仕組みやタイプを把握し、ろ過対象物の特性や目的、用途に合わせて適切な装置を選びましょう。

ドラムフィルターの選び方

クーラントろ過装置に利用するドラムフィルターを選ぶ際は、加工環境やろ過精度などの要素を考慮する必要があります。以下で、詳しく解説していきます。

スラッジの性質・サイズ・量

ドラムフィルターを選ぶ際は、スラッジの性質やサイズ、量を把握することが重要です。それに適したフィルター材質と目の細かさを選びましょう。

大きな切削スラッジが発生する場合は粗目のフィルター、微細な研削スラッジを除去する場合は細かいメッシュや特殊コーティングが施されたフィルターが適しています。

必要処理能力に応じたサイズと構造

ドラムフィルターを選ぶ際は、必要な処理能力に応じたサイズと構造を選ぶことが重要です。大量のクーラント液を使用する場合は、大型のドラムフィルターを導入するとろ過効率を維持できます。

また、連続運転を求める場合、自動洗浄機能やスラッジ排出機能を備えたものを選ぶとメンテナンスの負担を軽減できます。

総合的なコストパフォーマンス

ドラムフィルターを選ぶ際、1番気にする方が多いのが費用です。ドラムフィルターは導入する費用だけでなく、ランニングコストも発生します。

ドラムフィルターを導入すると、フィルター交換や消耗品の費用が発生する点に注意です。フィルターの交換頻度や消耗品のコストを把握し、大まかなランニングコストを算出しましょう。

導入する際は導入費用とランニングコストを含めた総合的なコストパフォーマンスで検討することが大切です。

ドラムフィルター以外のクーラントろ過装置

クーラントろ過装置には、サイクロンフィルター以外にも下記のようなろ過装置があります。

目的や用途に合わせて適切な製品が異なるため、自分に合った製品を見つける参考にしてください。

サイクロンフィルター

サイクロンフィルターは、ろ過対象物を高速回転させ、遠心力を発生させることで粉末状の固体を分離する装置です。

シンプルな構造でありながらも、高い分離効率を持ち、耐摩耗性や耐腐食性にも優れています。

また、フィルターカートリッジなどを使用しないため、フィルター交換の手間もありません。ただし、10μ以下の微細なスラッジには対応していないため、注意しましょう。

サイクロンフィルターについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。

カートリッジフィルター

カートリッジフィルターは、クーラント液に混入するスラッジを、フィルターエレメントで補修・除去する循環型のろ過装置です。

10μ以下のスラッジにも対応しているため、細かいスラッジのろ過にも適しています。他にも、別の装置でろ過しきれなかったスラッジを除去する、二次処理としても活用できるでしょう。

ただし、フィルターを通してろ過する関係上、目詰まりによって連続運転ができなくなってしまう場合もあります。そのため、目詰まりを軽減する逆洗浄機能が備わったろ過装置を選ぶのがおすすめです。

マグネットセパレーター

マグネットセパレーターは、磁石の力で磁性の切粉・スラッジを吸着させて排出する装置です。工作機械からタンクにクーラント液が戻る際に、マグネットセパレーターを通してスラッジを回収する仕組みとなっています。

アルミ・スチール・鉄などの金属素材をろ過する場合におすすめの装置です。ただし、非磁性のスラッジなどは分離できないため注意してください。

マグネットセパレーターについて詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。

遠心分離機

遠心分離機は、遠心力を使ってクーラント液から異物を分離し、回収する装置です。

フィルター式と違い、濾布やフィルター等の消耗品がありません。必要なのは、電気やエアーといった動力源のみです。

超硬やセラミック・鋳物などの脆性材に適しており、粗くて大量のスラッジをろ過したい場合に適しています。

ただし、10μ以下の微細なスラッジには対応していないため、注意しましょう。

遠心分離機について詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご覧ください。

クーラントろ過装置の選び方

本記事ではドラムフィルターについて詳しく解説してきましたが、クーラントろ過装置には種類が複数あります。ろ過装置はスラッジの性質やサイズ、処理能力などに合ったものを選ぶことが重要です。

以下ではクーラントろ過装置の選び方を解説していきます。自社の機械に合ったクーラントろ過装置を選ぶ際の参考にしてみてください。

スラッジの性質・サイズ

クーラントろ過装置を導入する際は、除去したいスラッジの性質やサイズなど特性を把握することが必要です。スラッジには鉄粉のように比重が重く沈殿しやすいものと、アルミや樹脂のように軽く浮遊しやすいものがあります。

比重の重いスラッジには遠心分離機やマグネットセパレーターが適しており、比重の軽いスラッジにはカートリッジフィルターやサイクロンフィルターが有効です。

スラッジの沈降しやすさも適切な装置選びのポイントです。比重の軽いスラッジにはフィルター式や真空ろ過装置が有効で、比重の重いスラッジには沈降槽を備えた装置や重力分離を活用したろ過装置が適しています。

ろ過方法

クーラントろ過装置の方法にはさまざまな種類があり、処理するスラッジの性質やろ過精度に応じて最適なものを選ぶ必要があります。

フィルター式:フィルターエレメントで不純物を捕捉する方法
遠心分離機:遠心力を利用して、不純物を分離する方法
サイクロン式:旋回流を利用して、不純物を分離する方法
マグネット式:磁力を利用して、磁性のある不純物を除去する方法

それぞれの特性を理解し、過去環境やコスト、メンテナンス性を考慮しながら、適切なろ過装置を選定しましょう。それぞれの特徴は上記で解説しているので、参考にしてろ過装置を選んでみてください。

処理量・処理能力

クーラントろ過装置を選ぶ際は、処理量と処理能力のバランスを考慮することが重要です。

処理量とは装置が一定時間内にろ過できるクーラント液量を指し、クーラントの量に応じて最適なサイズを選ぶ必要があります。

大量のクーラント液を処理するろ過装置が最適です。対して、小規模な加工現場では適切な処理能力を持つコンパクトな装置を選ぶと、コストを抑えつつ、効率的なスラッジ除去が行えます。

処理能力はろ過装置がクーラント液からどれだけのスラッジや異物を除去できるかを示し、ろ過精度やフィルター性能に影響します。

微細なスラッジを除去する場合は高精度なフィルターや遠心分離機が有効です。対して、一般的な切削加工であれば標準的なフィルターやマグネットセパレーターで十分にスラッジを除去できます。

メンテナンス性・コスト

クーラントろ過装置を選ぶ際は、メンテナンスのしやすさとコストのバランスを考慮しましょう。ろ過装置は長期間使用するため、定期的な清掃や部品交換が必要です。

フィルターを使用する装置は、簡単に交換できる設計のものを選ぶと、作業負担を軽減できます。また、自動洗浄機能が搭載されていると、フィルターの目詰まりを防げるため、メンテナンス頻度を抑えたい場合に有効です。

費用面では初期費用とランニングコストの両方を考慮して判断しましょう。ランニングコストを試算し、自社の工作機械に適した装置の選定が重要です。

設置スペース

クーラントろ過装置には種類がたくさんあり、大型なものからコンパクトなものまで存在します。そのため、設置スペースや搬入経路の条件も考慮しましょう。

設置スペースが十分に確保できる場合は、高い処理能力を持つ大型の遠心分離機やドラムフィルターを導入すると、長時間の安定運用が可能です。対して、設置スペースに限りがある場合は、縦型設計のろ過装置、工作機械下部や側面に設置できる小型のものが適しています。

設置スペースはメンテナンスのしやすさにも関わります。装置周辺に十分な作業スペースがないと、フィルター交換や清掃作業が難しく、ろ過性能の低下や機械のトラブルにつながる原因です。

装置を設置する際は、メンテナンス時の動線も確保できる場所を選びましょう。

クーラントろ過装置のおすすめメーカー

クーラントろ過装置を購入したいけれど、どこで購入すれば良いのか悩んでいる方もいるでしょう。

ここでは、クーラントろ過装置のおすすめメーカーとして下記の2社を紹介します。

クーラントろ過装置を購入するメーカー選びの参考にしてください。

濾過精工株式会社

出典元:濾過精工株式会社
スクロールできます
項目詳細
会社名濾過精工株式会社
住所東京都中央区日本橋蛎殻町1-10-1
電話番号03-6264-8575
公式サイトhttps://www.rokaseiko.com/

濾過精工株式会社は、精密機械用クーラントに特化した、高性能ろ過システムの開発と普及に取り組んでいる会社です。

近年は、精密ろ過装置だけでなく、経験により積み上げたノウハウを活かし、クーラントタンク製造含めたクーラントシステム全体を提案しています。

濾過精工株式会社が提供する『精密クーラントろ過システム』は、スラッジをフィルターエレメントで捕集・除去し、クーラントの初期状態を可能な限り保持する循環式ろ過装置です。

この独自の精密で円滑なろ過は特許を取得しており、加工に極めて高度な正確さを要求される分野でも、クーラントの清浄・長寿化に貢献しています。

また、逆洗浄機能も備わっているため、安定したろ過だけでなく、フィルター交換頻度も少ないです。

濾過精工株式会社の提案する製品は、多岐にわたる分野での需要が見込めます。

以下の記事では濾過精工の会社の特徴や商品などを詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

イースタン技研株式会社

出典元:イースタン技研
スクロールできます
項目詳細
会社名イースタン技研株式会社
住所神奈川県大和市福田6-9-21
電話番号046-268-3131
公式サイトhttps://www.eastern-tech.co.jp/

イースタン技研は1970年の創立以来、ユーザーの立場に立ち、より良い製品・サービスを提案してきた会社です。

設計開発から機械製作・修理メンテナンスに至るまで各部門と連携し、一貫した製造体制を確立することで、高機能かつコストパフォーマンスの高いマシンを提供しています。

イースタン技研のクーラントろ過装置は、ワイヤーカット放電加工機に使用される高性能ろ過フィルターが使用可能です。

そのため、マグネットセパレータでも取り除けない砥石カスや非鉄金属のスラッジも、根こそぎ除去できます。

また、コンパクト設計で場所を取らないため、小規模な工場でも活用できるでしょう。

イースタン技研のクーラントろ過装置を使用することで、あらゆるスラッジを確実に除去し、ワークの仕上がりを向上させます。

以下の記事ではイースタン技研の会社の特徴や商品などを詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

まとめ

今回は、ドラムフィルターの原理について解説しました。

ドラムフィルターは、回転するドラム状のフィルターを用いて異物などの濾過対象物を除去する装置です。

フィルターの孔径を変更するだけであらゆる物質の除去が可能になるため、幅広い分野で活用されています。

また、ろ過装置にはドラムフィルター以外にもさまざま種類があり、目的や用途によって適切な装置が異なるでしょう。

クーラントろ過装置の導入を検討される際はドラムフィルターだけでなく、他のろ過装置も検討してみてください。

今回解説した内容を参考にして、自分に適したろ過装置を選んでみましょう。

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